僕の入院生活-地獄編-
退院しました。
早速だが手術前後の地獄を綴っていきたい。
・これから整形外科で手術をうける人
・全身麻酔に興味のある人
・股関節の人工関節に興味のある人、痛い人
・手術後の抜糸とかトイレとか
・あと尿ドレーンとか
あたりには参考というかこんな感じだったよということを書いていきたい。
なにせ実体験だからな、リアルだぞ。生々しいぞ。
あとやっぱりちょっと長いよ。
小分けするけどね
・準備
まずはT字帯である。
手術の時に履けと言われる。
手術の時に履けと言われる。
いわゆるフンドシである。
これに着替えてあとはドラマとかでおなじみの
エプロンみたいな青とか緑色の手術着を着る。
エプロンみたいな青とか緑色の手術着を着る。
上腕部に謎のカテーテルを通される。
レントゲンで観ながら腕の動脈から心臓付近まで一気に管を通し
そこから麻酔を入れる道を確保する。
俺は左腕の上腕にやったばかりに後で苦労した。
担当の医者の先生が挨拶しにくる。
麻酔の担当の先生
手術に携わる先生
手術後にはリハビリの先生
病棟の看護婦さん
全身麻酔の副作用に関する同意書
(人によっては蕁麻疹とか吐き気とか最悪死んだりとかするらしい)
手術は長くて3時間ほどらしい。
・手術
いよいよメインイベントだ。
ここからは俺の記憶が曖昧なのだが出来るだけ記憶を頼りに書いていく。
==================
俺「・・・・・・・・・」
麻酔医「よろしくお願いします」
俺「アッ、ハイ」
医者「血圧測ります」
「脈測ります」
「心電図」
周りがあわただしい
麻酔医「ではこれから麻酔を入れていきますね~」
テレビで見たことある口に当てるマスク登場。
思ったよりデカイ。
ピッタリ当てるんじゃなくて被せてひんやりとした酸素?が微かに流れてくる。
え?
これが麻酔?
よくじいさんが鼻につけてる酸素チューブじゃなくてこれで供給すんの?
麻酔医「クロロフィル○○(←数字+単位?)入りまーす」
こっちが本番か。
麻酔医「ちょっと麻酔入る時、熱くなったりしますけど大丈夫ですよ」
麻酔投入
・・・・・・・・・・・・・。
あー・・・
なんかマジで熱い。
お湯でも流されてる気分だ。
もしくは虫さされの塗り薬を血管に。
じりじりと血管の中に灼熱感を感じる。
そういえばたいち君は4カウント取れなかったと言ってたな。
マジなんだろうか。
ん?
ここどこ?
あっ、俺麻酔効いて寝ちゃったのか!
麻酔すげぇー!
ついでに夢の中でも冷静な俺すげー!
それにしても手術中にお花畑の夢見るとか
俺もベタな 医者「赤川さん起きてください!」
俺「!?」
うっ・・・!
痛てぇ!!!
息苦しい!!!
医者「手術終わりましたよ」
俺「…」←喋れない
医者「きれいに関節が付きましたからね」
俺「…」
医者「痰がでると思うのでこれに吐いてくださいね」←トレーを差し出す
俺「ペッ」
医者「上手です」
母親「終わった~」
父親「今何時だ?」
妹「終わったの?」
祖母「ああ~良かった」
母親「5時間半かかった」
マジか!
大手術じゃねーか
つーか足痛い!
形容しがたい痛さが絶え間なく俺を襲っている
泳いでる時に足を攣(つ)った時がある。
それに近いかもしれない。
太ももの感覚が無いのに
鉛のように重く、絶対に動かせる気がしない
足の先っぽまで微動だに出来ない。
指先一つ動かしたら激痛の津波が怒涛の瀑布のごとく俺を襲うだろう
ある種の予知というか確信である
脳天に焼け串をぶっ刺されたような衝撃と
呼吸器の為に不快な息苦しさ
喉がカラカラで絶えず痰が絡む不愉快さ
麻酔から覚醒した後の何とも言えない怠惰感
首をもたげて自分の状況すら見れない。
一種の金縛りのような緊縛感
様々な思考が脳味噌の中を駆け巡る
痛み、不快、緊張、逃避…
もはや周りが何を言ってるのかもどうでもいい。
早く逃げたい。
早くさっきの夢の中へ
安らぎの、あの暖かかった花畑に戻りたい
秋田の冬は長い
2月中旬など真冬もいいところで
手術が終わったのが6時前後ということもあり
外はもう真っ暗で、しかし雪が街灯を反射して青い灰色の景色だった
手術日は絶食だったが腹も減らない
いつから個室にいたのか、
上記の景色はいつ見たのか、
その記憶もあいまいである。
理解できるのはもう消灯後で、看護婦が巡回している時間だということだった。
しかし麻酔後の覚醒よりよっぽど寝覚めが良い。
足の痛みは当然あるが、それよりも尿意が感じない。
どうやら管が刺さっているらしいが、尿意すら感じないとは驚きだった。
喉の湿気は未だに戻らず、痰がでる。
グビグビと水が飲みたい。
点滴が3つほどぶら下がっている。
抗生剤とかだろうか。こういう手術の場合範囲が広いので感染症が一番怖いらしい。
痛くて辛くて苦しくて何も考えたくない。
あの夢の花畑に戻りたいとはもう思わない
眠りたい。
安寧の暗闇へ還りたい
意識も思考も全て捨てて一秒でも早く安らぎが欲しい
痛みどめの座薬も入れてもらったし
飲み薬ものんだ。
そのおかげでマッハ殿堂入りの痛みは回避できた。
しかし夜だけは寝れなかった
看護婦さんが部屋に入って様子をうかがうたびに
痛みで半覚醒状態の俺は目を覚ましてしまう
食欲もあるし飯は残さず食った。
夜明けを3回数えた辺りで
トイレの話が出てきた。
尿はともかく便が出ていない。
手術を受けた患者の第二の試練であり
最大の関門がこれである
恥もへったくれもなく、俺は座薬を打ってもらった。
上等じゃ!おむつに出してすっきりしたらそれでいいじゃないかと。
人間は、
赤ちゃんの時分にしか
寝たままの状態で便が排泄できない構造なのではないか
下剤を入れて腹は痛いし、ウンコしたいのに
絶対に出ない。
力を入れてるのに、理性が働いてるのか便が出ない。
もうほんとマジで出ない。
目の前が真っ赤になるという表現がある。
俺はそれを身を持って体感した。
人生初めて視界が赤く染まるほど踏ん張った。
耳に指を突っ込んだら「ゴーーーー」という音が聞こえると思う。
これは血流の音だと何かの雑学TVで観たことがある。
頭の血管がぶち切れるんじゃないかというくらい踏ん張ったら
指入れなくても爆音で聞こえるよ。
ほんの少し、便が出たがこれは下剤の助けがあってやっとこれだけといった感じ。
下剤の痛みは少し出した程度じゃ収まるわけがなく、
俺はこのあと5時間腹痛に苛まれた。
腹痛が治まった後の虚脱感と、疲労は例えようが無い
おしりを何度も拭いてくれる看護婦さんに申し訳なくて申し訳なくて頭が下がった。
間違いなく俺は看護婦さん全員に恋をし、また無限のリスペクトをした
術後のレントゲンは地獄だった。
施術部分は尻の当たりなのでレントゲンの台はご存知の通り固く
エアマットで何とか凌いでいた自重の影響を
モロに受け止めねばならない
ベッドのまま運ばれて、
寝たまま転がされて
激痛レントゲン撮影は行われる
レントゲン技師たちは写真がきちんと撮れればいいと思っている。
患部は下にしてはいけないとリハビリの先生に言われたのに
激痛を推して撮影した。
あまりに痛かったのでちょっとブチ切れた俺は
この事をリハビリの先生にチクったら
「これはダメだな」と憤りを感じていたようで・・・・
後に入院患者アンケートでレントゲンの項目だけ☆1~5で1を選択した。
・小康
やがて車椅子に乗れるようになるころ、事件が起こった。
エレベーターでの移動中、尿の機械が壊れてしまった。
その日の夜、管を抜くことになったのだが・・・。
看護婦さん「抜きますか!」
俺「は・・・ハイ・・。」
熱い
俺は入院前にググったことがある。
チンコが小さいと痛いとか
抜いた後のおしっこが痛いとか
とにかく痛いらしい
のだが!
熱いねん!
も、燃える!!
いや、痛みもあるのだが
もしかして痛みを熱さに感じているのか!?
俺ってもしかして念能力者だったのか!?
痛みを返すぜ・・灼熱に変えて!(チンコの)
看護婦さん「終わりました~、このあとおしっこちょっと痛いかも」
俺「う、うーん。でも自分でトイレに行けるからまぁいっか」
んで、無事に尿意を感じ、覚悟してトイレに。
プシュッ
!?
プスー プププ ポコポコ
俺「うっはwwwwなにこれwwwwwwwwww」
ちんちんから空気が出るという珍現象を体験した。
ちなみに全く痛くなかったよ。
・地獄のリハビリ
画像は拾いものだが御覧の通りの状態になっている。
俺はサイボーグになった。
1.太ももを切り開く
2.骨をわざと脱臼させる
3.骨をブチ砕き、骨折させる
4.人工関節を付ける
5.恐ろしい事に脱臼させた状態で手術をし脱臼をハメる要領でまたハメるように戻す
6.縫合して完了
という手順らしいので
なるほど俺のような体格の患者だと時間がかかるのも無理はないのだろう。
つまりは
脱臼の痛み+骨折の痛み+肉離れの痛み+内出血の痛み+深い切り傷の痛み
=最大瞬間激痛ランキングマッハ殿堂入り
だったわけだけど、
やがて時間がたつとリハビリをしなくてはならない。
2週間動かなかったので衰えたどころではない。
プルプルして歩けない。歩こうにもまだ痛いのだけど
超音波を当ててマッサージして
可動域を広げるストレッチをする。
これがまた痛くて・・・。
十数年間も痛くて動かせなかった部位はコリコリに固まっていて
手術前と変わらなかった。
だけど、関節が痛くなくなって固まった筋肉が痛いだけで
頑張ればあぐらをかけるようになると言われて希望がわいた。
その希望は地獄のリハビリ生活の唯一の支えになった。
正直、退院した今でも固いけど
近所の温泉(300円)に通って温めて少しずつ良くしようと続けている。
医者は2カ月(8週間)の予定を組んでいた。
俺は5週間で退院した。
更に会社を1週間休んだ。
まだ松葉杖だし、跛(びっこ)をひいているが
日常での股関節の痛みが無くなったので快適である。
手術後のリスクでは脱臼のリスクというものが出てきて
行動の制限があるものの、気にするほどではない。
内またでヒネると脱臼する可能性があるから気をつけろという程度である。
さて、痛みや苦しみは大体書き終わった。
次回は入院中の会話や、救われたことを書いて行こうと思う。
(おまけ)
ブラッドボーン楽しいけど鬼畜すぎてやばい
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ちと読むのが遅れてしまいましたが本当にお疲れ様でしたな~!
なんという壮絶な手術だった事か( ̄∀ ̄;)
頭と脚とで随分と手術の行程が違うもんですな(当たり前
こっちもオムツやらされましたが、やれって言われても出るもんじゃないとか覚えがあったりと、中々・・・
お互い無事に済んでよかったのですが、改めて思う事は「もう二度と体験したくない」ですな(; ̄∀ ̄)
投稿: ムラ | 2015年4月29日 (水) 19時05分
全自動割礼・・・・!?( Д) ゚ ゚
投稿: BOB | 2015年4月 7日 (火) 00時30分
まじお疲れ様でした。
読んでて入院した時のこと思い出しました。
ちなみに小学校のころ、盲腸入院で管入れた時に邪魔だからという理由で皮を切られたのが一番の衝撃でした
投稿: じま | 2015年4月 6日 (月) 22時45分